著者
大塚 尚宏 大谷 淳 中津 良平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.2129-2137, 1997-08-25
被引用文献数
17

表情認識は, マン・マシンインタフェースの高度化, 画像通信における伝送量の削減等を実現するためには重要な技術である. 本論文では, 連続出力確率密度分布をもつ隠れマルコフモデル(HMM)を用いて不特定多数の人物の顔動画像から表情を認識する手法を提案する. 本手法では, まず動画像中の連続する2枚の画像から得られるオプティカルフローを積算して顔の各位置の移動ベクトルを求め, そのフーリエ変換の低周波成分を認識のための特徴ベクトルとして抽出する. 次に, 連続出力確率密度分布をもつHMMを使って基本表情ごとに特徴ベクトルの時間変化のパターンを学習させて認識のためのモデルを作成する. HMMの出力を連続的な特徴ベクトルとすることにより, 離散的なシンボルを用いる場合に問題となる量子化誤差のない高精度なモデル化が実現できた. また, 出力確率分布を多次元正規分布の荷重平均として近似することにより, 人物ごとに異なる表情の特徴をモデル化することができた. 4人の被験者(男性3人, 女性1人)からの顔動画像を用いて実験したところ高い認識率が得られた.

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