- 著者
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福井 和広
山口 修
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
- 巻号頁・発行日
- vol.80, no.8, pp.2170-2177, 1997-08-25
- 参考文献数
- 18
- 被引用文献数
-
125
本論文では, 顔認識に向けて動画像中から瞳, 鼻孔, 口端などの顔特徴点を高速かつ高精度に抽出する方法を提案する. これらの特徴点を基準とした顔の切出し精度は, テンプレートマッチングに基づく顔認識法の性能に大きく影響する. また処理速度に関しては, 動画像に対して識別の試行回数を増やす観点あるいは顔辞書の実時間生成という実用的な観点から高速性が要求される. これまでにさまざまな抽出法が提案されているが, 個人差, 表情変化, 顔向き, 照明変化などの影響のために安定な抽出が難しく, 抽出精度と処理速度の面で十分には満足できるとは言えなかった. 提案する方法は, 形状抽出とパターン照合の組合せにより, 少ない計算コストで高い位置精度を実現している. 具体的には, 分離度フィルタにより瞳, 鼻孔, 口端などの特徴点の候補を抽出する. 次に部分空間法を使ったパターン照合により候補から正しい特徴点を選択する. 評価システムを構築してさまざまな条件の顔画像に対して実験を行った結果, 合計1700枚の静止画像に対して99%の特徴点の抽出率, また動画像に対してハードウェアを用いずに10回/秒の抽出速度, 9880フレームに対して97%の抽出率を達成できた.