著者
杉本 和英 富田 文明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.524-533, 1993-03-25
被引用文献数
11 3

ステレオは,テクスチャのある面やシェージングのある曲面を復元することはできるが,多くの人工物がそうであるように,一様な平面で構成された物体に対しては,その境界線を検出できても特徴のない面の内部を直接対応によって復元することはできない問題がある.従って,境界線の復元の後,面を復元する処理が必要となる.しかし,物体の輪郭線と稜線を区別しない単純な面内挿アルゴリズムでは,偽の面を生成してしまう.そこで,本論文では,この面の復元問題を解決するために,ステレオ画像の境界表現の対応から得られる物体の3次元境界線の構造から,一意的に存在可能な面を決定する方法について述べる.本方法は,平面で構成された物体すべてに対して有効であり,面上に模様や影があっても構わない.また,欠損があるために面を一意的に決定できない境界線を局所的に区別することができ,それを補償するように後の観測にゆだねることが可能となる.そして,結果として,物体/環境の幾何モデル(境界表現)が得られる.

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