著者
杉本 和英 富田 文明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.524-533, 1993-03-25
被引用文献数
11 3

ステレオは,テクスチャのある面やシェージングのある曲面を復元することはできるが,多くの人工物がそうであるように,一様な平面で構成された物体に対しては,その境界線を検出できても特徴のない面の内部を直接対応によって復元することはできない問題がある.従って,境界線の復元の後,面を復元する処理が必要となる.しかし,物体の輪郭線と稜線を区別しない単純な面内挿アルゴリズムでは,偽の面を生成してしまう.そこで,本論文では,この面の復元問題を解決するために,ステレオ画像の境界表現の対応から得られる物体の3次元境界線の構造から,一意的に存在可能な面を決定する方法について述べる.本方法は,平面で構成された物体すべてに対して有効であり,面上に模様や影があっても構わない.また,欠損があるために面を一意的に決定できない境界線を局所的に区別することができ,それを補償するように後の観測にゆだねることが可能となる.そして,結果として,物体/環境の幾何モデル(境界表現)が得られる.
著者
杉本 和英 富田 文明
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.431-438, 1997-04-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

We propose a method to incrementally make a geometric model of objects/environments by stereo vision. The problems to solve here are not only how to extract 3D geometric data of a scene which a stereo vision system observes but also how to integrate partial and incomplete geometric data which are obtained from different views into a geometric model. We use a b-rep (boundary representation) for geometric models.
著者
高橋 裕信 寺崎 肇 杉本 和英 富田 文明
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.41, pp.178-179, 1990-09-04

予想外の事象にも対処可能なロボット制御を行うため、視覚によってロボットの動作環境と対象物を認識するビジュアルフィードバックシステムについて検討している。その最も典型的なシステムであるハンドアイロボットの視覚装置には、精度、安定性、高速性などが要求される。一方、ハンドアイロボットは限定環境で用いられることが多く、この場合にはロボットや対象物に関するモデルや姿勢などが情報として与えられる。こうした情報を有効に利用することができる。例えば、ロボットハンドやすでにロボットが把握した物体については、そのモデルが既知でその位置と姿勢がほぼ予測できる。それからステレオの各画像中での見え方を予測し、モデルを当てはめることができる。この場合にはモデルを対応単位としたステレオ法が可能となる。位置が不明であっても各画像にモデルを当てはめる方法は可能である。しかし可能な組合せが多く、複雑な画像になるほど計算量が大きくなる問題がある。また通常のステレオ法では対応付けやその検証が難しい。それらの問題を解決するためにステレオ法における対応付けの検証の段階にモデルを利用し、認識を行なう方法について検討したので報告する。