著者
関口 芳廣 重永 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.1522-1530, 1994-08-25
被引用文献数
4

連続音声は「なまけて」はっきり発声しない部分が随所にあり,文法的に重要な助詞などの認識も必ずしも正確にはできてないので,連続音声の認識には構文,意味等の言語情報に加え,人間と同様に,より直感的な情報,つまり連想情報の利用も必要である.この論文では,まず連続音声ではあいまいに発声される部分があり,その部分の音響処理が難しいことを示す.次に,人間がもっている単語間の連想関係を調査,検討して,音声認識で使用できる連想単語辞書を構築する.この連想単語辞書を利用して,単語間の連想の強さを求め,後続単語の予測を行う.また,句単位の認識の際,音響的な情報だけでなく,連想情報も加味している.実験の結果,筆者らの音声認識システムで75%以上の文認識率を得るためには,連想情報を利用しないと約90%以上の音素識別率が必要であったが,連想情報の利用により約80%の音素識別率で文認識率が75%以上になっている.また,筆者らの構築したシステムでは,認識のための得点付けには,音響情報と連想情報をほぼ3:1の割合で利用すればよいこともわかった.

言及状況

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こんな論文どうですか? 連続音声認識への連想情報の利用(関口 芳廣ほか),1994 http://t.co/ZcTsfCEZne 連続音声は「なまけて」はっきり発声しない部分が随所にあり,文法的に…

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