著者
鈴木 良弥 川隅 里奈 関口 芳廣 重永 実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.51, pp.21-26, 1995-05-25
参考文献数
6

話し言葉中では助詞の省略,曖昧な発声などが頻繁に起こる.従って,話し言葉の認識や理解を行なうには助詞の推定を行なう必要がある.我々は朗読文用連続音声認識システムをすでに作成しているが,そのシステムの助詞推定能力を人間と比較した.まず,話し言葉(対話文とスピーチ)中の各助詞の出現回数などを調べた.その結果,良く使われる助詞は対話文でもスピーチでもほとんど同じであることがわかった.また認識システムの出力と学生73人にアンケートを行なった結果とを比較した.実験により,学生が作成した文の約94%をシステムが生成し,システムが作成した候補文の約3%を学生が作成したことを確認した.We are trying to make our speech recognition system to correspond to spoken dialogue. First, we investigated the frequency of each particle in some dialogues and speeches, and we registerd 29 frequently used particles to our system. Second, We sent out a questionnaire to 73 students in order to compare with the performance of estimation of particles by the linguistic processor (case structures, syntactic rules, and so on) of our speech recognition system. According to the comparison, our system can generate most of sentences which students can think out.
著者
嶋田 浩希 西崎 博光 関口 芳廣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.367, pp.47-52, 2012-12-12

本稿では,Twitterクライアントを利用して,リアルなつぶやき音声を収集する試みについて紹介する.これまでにWebブラウザを通じてつぶやき音声を収集する試みを行なってきたが,より多くの音声データを集めるために,Android端末で動作するTwitterクライアントを開発した.たくさんの人間がつぶやいた音声を収集し,それを分析・利用することで,音声認識等の研究への応用を検討する.
著者
関口 芳廣 重永 実
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-情報処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.77, no.8, pp.1522-1530, 1994-08-25
被引用文献数
4

連続音声は「なまけて」はっきり発声しない部分が随所にあり,文法的に重要な助詞などの認識も必ずしも正確にはできてないので,連続音声の認識には構文,意味等の言語情報に加え,人間と同様に,より直感的な情報,つまり連想情報の利用も必要である.この論文では,まず連続音声ではあいまいに発声される部分があり,その部分の音響処理が難しいことを示す.次に,人間がもっている単語間の連想関係を調査,検討して,音声認識で使用できる連想単語辞書を構築する.この連想単語辞書を利用して,単語間の連想の強さを求め,後続単語の予測を行う.また,句単位の認識の際,音響的な情報だけでなく,連想情報も加味している.実験の結果,筆者らの音声認識システムで75%以上の文認識率を得るためには,連想情報を利用しないと約90%以上の音素識別率が必要であったが,連想情報の利用により約80%の音素識別率で文認識率が75%以上になっている.また,筆者らの構築したシステムでは,認識のための得点付けには,音響情報と連想情報をほぼ3:1の割合で利用すればよいこともわかった.
著者
渡辺 裕太 関口 芳廣 西崎 博光
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.1812-1821, 2006-06-15
参考文献数
11

この論文では,数人と対話ができる音声対話機能を備えた音色識別学習支援システムについて述べている.この論文では,特に,音色の例として人間の声を扱っている.まず,最初に音色識別学習支援システムに必要な機能を被験者実験により調査した.その結果,(1) 音声対話機能が必要である,(2) 1 人よりも2 人で学習すると学習効果が高い,(3) 聴覚情報だけでなく,視覚情報も有効である,という3 つのことが分かった.そこで,前述の機能を備え,複数人で使用できる音色識別学習支援システムを作成した.被験者実験により,学習支援システムを使って音色識別学習をした場合の方が,システムを使用しないで音色識別学習をした場合より音色識別精度が50%改善している.This paper describes a tone color identification learning support system with speech dialogue function that can have a conversation with a few person. In this paper, we especially deal with speech as an example of tone color. First of all, we have investigated functions which are required for the tone color identification learning support system by doing subject experiments. The results showed as follows: (1) a speech dialogue module are needed, (2) training in a twosome gets higher learning effect than training alone, (3) visual information such as spectrograph is useful for training as well as acoustic information. We constructed the support system, therefore, which can be used by a few person and has the functions described above. The experimental result of tone identification by subjects who used the support system showed that the performance of identification achived improvement of 50% accuracy comparing with the case in which the system was not used.
著者
高岡 充 上平 拓弥 西崎 博光 関口 芳廣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.142, pp.51-56, 2010-07-15

本稿では,人間とロボットの対話を円滑にするための,対話ロボットが話題とは無関係な発話を聞き流す機構の構築方法を述べる.まず最初に,話題と関係ない発話を人間が聞き流す機構を被験者実験で調査した.その結果,人間は話題からキーワード群を推測し,認識・理解しているということが分かった.この聞き流しモデルを音声認識のための言語モデルに適用し,カードゲームのための音声対話ロボットに組み込んだ.音声認識実験により,提案された機構を取り入れた言語モデルは,効果的に話題外発話を棄却できることが分かった.
著者
高村 聡 松本 和教 関口 芳廣
出版者
山梨大学
雑誌
山梨大學工學部研究報告 (ISSN:05131871)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.44-50, 1991-12

We are developing a wild birds twitter-identification system which can work in noisy enviroments. In the natural world, there are several types of noises, for example, the sound of stream, the sound of leaves swayed by the wind and twitters of other birds. Then we can't use specific features of the twitters of birds to identify them. In this system, the number of zerocrossing and the mean value of overall spectrum of twitters of birds are used to determine the kind of birds. This system can successfully identify 34 twitters out of 35 twitters which are twittered by 7 kinds of birds and recorded in natural world.