著者
ストヤノフ ジョージ 川又 政征 バルコバ ズラトヤ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.424, pp.39-45, 1996-12-13

本稿では,さまざまな低域通過プロトタイプセクションの構成とその検討によって,極めて低い振幅感度をもつ1次および2次の複素係数直交フィルタの構造を導出する.これらの構造と既知の構造とを比較・検討する.新しい構造に用いられる遅延素子数と乗算器数は標準的(最小)である.このため,導出された構造の素子数は,既知の構造と比べて,1次の場合には1/2に減少し,2次の場合には1/3に減少している.しかも同時に,狭帯域実現では,従来のものより1/10〜1/100以下の低感度性をもっている.既知の構造では,3ビットの係数語長を使用しても振幅特性が破壊されるにも係わらず,新しい構造では,係数が2ビットの正規SDコードで表現された場合でさえ,振幅特性が損なわれないとことが実験によって実証される.新しい構造は高性能な高次直交フィルタの実現に適している.

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