著者
越田 俊介 阿部 正英 川又 政征
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.34-45, 2016-07-01 (Released:2016-07-02)
参考文献数
81

可変ディジタルフィルタは,遮断周波数や帯域幅などをリアルタイムで制御できる周波数選択性ディジタルフィルタであり,電気通信,音声・音響信号処理など幅広い分野にて用いられている.本論文では,主として設計と実現の問題に着目して,可変ディジタルフィルタに関する研究成果を紹介する.また,可変ディジタルフィルタの応用として,適応信号処理の分野における可変ディジタルフィルタの研究成果についても述べる.
著者
ストヤノフ ジョージ 川又 政征 バルコバ ズラトヤ
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.96, no.424, pp.39-45, 1996-12-13

本稿では,さまざまな低域通過プロトタイプセクションの構成とその検討によって,極めて低い振幅感度をもつ1次および2次の複素係数直交フィルタの構造を導出する.これらの構造と既知の構造とを比較・検討する.新しい構造に用いられる遅延素子数と乗算器数は標準的(最小)である.このため,導出された構造の素子数は,既知の構造と比べて,1次の場合には1/2に減少し,2次の場合には1/3に減少している.しかも同時に,狭帯域実現では,従来のものより1/10〜1/100以下の低感度性をもっている.既知の構造では,3ビットの係数語長を使用しても振幅特性が破壊されるにも係わらず,新しい構造では,係数が2ビットの正規SDコードで表現された場合でさえ,振幅特性が損なわれないとことが実験によって実証される.新しい構造は高性能な高次直交フィルタの実現に適している.
著者
岩月 正見 川又 政征 樋口 龍雄
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.149-154, 1987-02-28 (Released:2009-03-27)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

This paper proposes performance indeces of robot arms from a new viewpoint of the degrees of controllability and observability. The definitions of the controllability, observability and output-controllability Gramians of linear systems are given to show these degrees, and the physical meanings of these Gramians are explained. Using the products of the eigenvalues of these Gramians, the controllability, observability and output-controllability gains are proposed as the measures of performance evaluation of robot arms. Furthermore, it is shown that manipulability and dynamic manipulability can be obtained as the degrees of observability and output-controllability. As a numerical example, a two link arm is evaluated using the controllability, observability and output-controllability measures.
著者
小林 孝次 中島 寛 青木 孝文 川又 政征 樋口 龍雄
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会技術報告 (ISSN:03864227)
巻号頁・発行日
vol.20, no.41, pp.1-6, 1996-07-16
被引用文献数
35

位相限定相関はフーリエ変換を用いた相関の計算過程において、入力画像の振幅成分を固定値で置き換えるよう修正した新しいパターンマッチング・アルゴリズムである。位相限定の自己相関はデルタ関数となり、相関に比べてきわめて急峻な識別特性を持つ。また、画像の振幅の影響を受けず、像のずれは相関のピークが出現する位置のずれに変換されるといった性質を持つ。位相限定相関は今後様々な分野で普及するものと予想されるが、特に顔画像や指紋画像など、安定した特徴量の抽出が難しい画像のマッチングに適している。
著者
小野寺 聡 川又 政征 樋口 龍雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.299, pp.71-78, 1995-10-20

アナログ回路網では,フラクタルに基づいた回路網を構成することで,遷移域においてω^α(0<α<1,ωは角周波数)に比例する振幅特性を実現できることが示されている.本稿では,ディジタル回路網でこの振幅特性を設計する方法と,設計したディジタル回路網の構造について考察する.まず,アナログ回路網の伝達関数をs-z変換してディジタル伝達関数を求める.次に,アナログ回路網の伝達関数の構造を求めて,その構造を基にしてディジタル回路網の構造を導く.その結果,遷移域でω^αに比例する傾きを持つディジタル伝達関数を得られることと,設計したディジタル回路網が再帰的な構造を持っていることを示す.