著者
豊田 修一 仁木 登 西谷 弘
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.184, pp.63-66, 2003-07-06
被引用文献数
1

政府のe-Japan計画や厚生労働省の保健医療分野のグランドデザインには,医療情報を社会基盤化する方針が記述されている.医療機関相互間で医療情報を共有化するためには,記述方式の統一,利用方法,個人情報保護などの課題を解決しなければならない.そこで,我々は,客観性の高い指示データや検査結果値がその中心的役割を担っているオーダリングシステムを基盤にして,医療機関連携機能の構築を行った.本報告では医療機関相互間で共有化した医療データを診療の現場で有効に活用する方式を提案する.この方式は,仮想診療科を導入することで,診察室システムにおけるHCIモデルの適用範囲を,他医療機関のデータに拡張したものである.仮想診療科は,システム上にだけ存在する診療科であり,他の医療機関の指示データと自院の指示データをシームレスに取り扱うことを可能にする.さらに,他の医療機関の指示履歴の表示や再利用を容易にする.我々は,1999年9月より,診察室システムに仮想診療科方式を実装したオーダリングシステムを用いて,医療機関連携の実験稼動を継続している.この医療機関連携は,病院と診療所の連携による医療の分業に効果をあげている.

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政府のe-Japan計画や厚生労働省の保健医療分野のグランドデザインには,医療情報を社会基盤化する方針が記述されている.医療機関相互間で医療情報を共有化するためには,記述方式の統一,利用方法,個人情報保護などの課題を

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