- 著者
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小林 千織
堀尾 喜彦
合原 一幸
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.101, no.464, pp.13-20, 2001-11-21
- 被引用文献数
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7
1万個のカオスニューロンを1億個のシナプスで完全相互結合させた, 大規模カオスニューロンコンピュータを構築するためのカオスニューロン集積回路を提案する.この回路はスイッチトキャパシタ(SC)回路技術を用いており, 3つの内部状態を持つカオスニューロンモデルを実装している.ニューロンモデル内の全てのパラメータは, プログラマブルキャパシティブアレイ(PCA)によりディジタル信号で制御可能である.また, ニューロンの出力関数特性は双極あるいは単極のいずれかの特性を選択でき, その伝達特性は外部バイアス電圧により調節することができる.ニューロンのアナログ出力値は軸索伝搬関数回路により2値化し, 外部のディジタルシナプス集積回路へ伝達する.一方, シナプス回路で加算された重み付き加算値は符号付き8-bit信号としてニューロン回路に渡される.このディジタルプロセスを用いてニューロン回路を集積化し, その特性を測定した.その結果, 提案した回路の特性が1万ニューロンシステムに必要な仕様を満たしていることが確認された.