著者
赤木 正人 水町 光徳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.97, no.178, pp.1-8, 1997-07-18
被引用文献数
3

本報告では、マイクロホン対を用いて時間・周波数が局在した雑音を推定し、推定した雑音を引きさることによって信号音を浮かび上がらせる手法を提案する。これと同様の考え方を基にした方法としてGrifiths-Jim型のビームフォーマがあるが、適応フィルタの収束が遅いため、到来方向が変化する雑音とか突発的な雑音には対処できない。また、雑音と信号音は無相関であることを仮定しているため、残響などで相関が存在すれば、信号音が歪むなどの問題がある。一方本手法は、雑音をモデル化しできる限り解析的に抽出することによって、この問題を回避し、雑音を取り去っている。主マイクロホン2本と補助マイクロホン1本を用いた場合の性能評価の結果、合成波形を用いたシミュレーションの場合SN比が10〜20dB向上し、実環境では雑音が含まれない信号音との対数スペクトル距離が約5dB減少した。

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