著者
趙 力 中川 聖一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声
巻号頁・発行日
vol.95, no.123, pp.9-16, 1995-06-23
被引用文献数
8

本稿では,中国語連続音声の認識と理解を目標とし,日本語連続音声認識システムSPOJUS-SYNOに基づいた中国語連続音声認識システムの構築について報告する。本システムのタスクとしては中国語ホテル予約システムに関するものであり、語彙数は190単語である。利用した日本語連続音声認識システム(SPOJUS-SYNO・X)はOne Pass DP法をベースにトップダウン型の構文解析法を統合したフレーム同期型の認識アルゴリズムを採用している。認識に用いるHMMは、60個の中国語音素単位に対応した60個の単一連続分布(全共分散行列使用)の離散継続時間制御HMM(DDCHMM)で、構文知識を表わしている文脈自由文法(CFG)は非終端記号数27、ワードクラス数(文法的に等価な終端記号の集合)53、書換規則数80からなっている。中国語ホテル予約タスクの認識対象53文についてのテストセットパープレキシティは26.1である。評価実験では、2名の話者が中国語ホテル予約タスクの認識対象53文について認識実験を行なった結果、平均68.9%の文認識率が得られた。また、O(n)DPによって適応化用文(50文)と評価用文(53文)でそれぞれ初期モデルと適応化したモデルを評価した。これらの結果から、この中国語音声認識システムの有効性を確認した。

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