著者
平館 郁雄 赤木 正人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.744, pp.43-50, 2002-03-21
参考文献数
10
被引用文献数
2

本研究では、怒りの感情音声における音響特徴量(基本周波数・パワー・持続時間・フォルマント周波数・スペクトル)と聴覚印象との関係を調べることを目的とする。本稿では、扱う感情を「Cold Anger(押し殺した怒り)」「Hot Anger(激しい怒り)」とし、「Neutral(平静)」音声との音響特徴量の比較を基に、音響特徴量の変動が大きいと考えられるアクセント部の分析を行った。その結果、感情間でいくつか相違が見られた。((1)基本周波数・パワーに関しては、「Hot Anger」のアクセントレベル上昇時の変化率が最も大きい。(2)「Cold Anger」のアクセント部の母音の持続時間が最も短い。(3)フォルマント周波数に関しては「Hot Anger」は「Neutral」より高い。(4)スペクトルに関しては「Hot Anger」における高帯域で強調されている。)そして、分析結果から感情音声の合成音を作成するための規則を導出した。

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