著者
中津川 雅史 大内 東
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.84, no.4, pp.519-527, 2001-04-01
被引用文献数
3

Mahalanobis Taguchi System(MTS)は, 基準事象群より算出されるマハラノビス距離に基づき, 検査事象を基準事象群に属する事象(正例)と属さない事象(負例)に大別する多変量解析手法である.MTSを用いた正例/負例判別では, 技術者の経験的判断に基づきマハラノビス距離上にしきい値が設定される.本論文では, 基準事象群を構成する事象のハマラノビス距離にガンマ分布を仮定することで, 正例の累積確率に基づくしきい値の設定を行う手法を提案する.しきい値設定法を導入したMTSアルゴリズムを用いることでしきい値設定上の指針を獲得し, 正例/負例判別におけるMTSの判別精度及び簡便性を向上させる.設定されたしきい値に対しては, コルモゴロフ・スミルノフ検定により信頼帯域の提示を行う.項目の最適化においても, しきい値により修正された望大特性のSN比を用いることで, 基準事象群からの効果的な負例の排除を実現する.

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