- 著者
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鎌倉 友男
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.1997, pp.282-283, 1997-08-13
本来, 音波の伝搬過程は非線形であるが, 日常経験する音の大きさでは大気圧のせいぜい1O^<-5>程度で, 線形化して記述しても十分である. しかし, 音圧が高くなり音響マッハ数が増すと, 音速は媒質の密度とともに速くなるので, 波面は伝搬につれて次第に急峻化し, 衝撃波が形成されるようになる. ことに, 爆発に伴うような大きな圧力変化では, 急峻な波面が容易に形成され, その波面を境に圧力, 密度が急激に変化する極限領域ができる. このような強い衝撃波と, 微小振幅の仮定から出発し, 線形理論に立脚した従来の音響学を補完する橋渡し的存在が, 非線形音響学(Nonlinear Acoustics)の位置づけである. ここで, 非線形音響現象の中でも, 波形歪み, 音響放射圧, そして音響流について, システムへの入出力特性との関連性を交えながら紹介する.