- 著者
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大島 洋志
- 出版者
- 一般社団法人日本応用地質学会
- 雑誌
- 応用地質 (ISSN:02867737)
- 巻号頁・発行日
- vol.40, no.6, pp.333-339, 2000-02-10
- 被引用文献数
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今から20年ほど前, 山陰本線奈古-長門大井間で大規模斜面崩壊があった.崩壊は2か月の間に前後3回生じた.第2回目の崩壊の後現地調査をした筆者は, 運転再開は上部の土塊を除去したうえで行うべきと主張したが, 不本意ながら地すべり観測による運転規制をするという条件で, 運転再開に妥協してしまった.しかし, 不安は現実のものとなり, 再開2週間後に第3回目の崩壊が発生した.列車通過40分後の崩壊であり, まかり間違えば大惨事になる可能性をもった災害であった.なぜ, こういう事態になったのか, 過去のデータやメモ・記憶等をもとに, 災害を再度振り返り, そこから得られる反省と教訓とを整理する.