- 著者
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田村 一人
酒井 通友
藤田 圭一
西松 豊典
石澤 広明
鳥羽 栄治
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.102, no.341, pp.45-48, 2002-09-20
- 被引用文献数
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2
今日、食生活の西洋化などによる栄養過多、飽食、肥満、運動不足、アルコール摂取量の増加、あるいはストレスの増加により、糖尿病患者の数は増加の一途をたどっている。全世界では1億2千万人から1億4千万人、わが国では予備軍を入れて約2000万人が糖尿病の危険におかされており、重大な問題となっている。このような糖尿病患者は、血糖値(血中グルコース濃度)が高く、血統をコントロールするインシュリンの分泌が不全である。従って、糖尿病患者はインシュリン補充によるインシュリン療法が生存のために必要とされている。インシュリン療法を行うためには1日に何回も血糖値を測定し、血糖値が高くなったときにインシュリンを補充しなければならない。しかし、現状では、血糖値の測定は血液を採取するため、患者の負担が大きく、1日に何度もこの測定を行うことによる苦痛や、他の病気への感染症の危険性などを含んでおり、現実的な手法とはいえない。そこで、本研究ではこのような問題を解決するため、光応用計測による血中グルコース濃度の非侵襲測定の可能性を検討した。