- 著者
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戸田 智基
河井 恒
津崎 実
鹿野 清宏
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.102, no.291, pp.19-24, 2002-08-22
- 被引用文献数
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素片選択に基づく波形接続型テキスト音声合成において自然性の高い合成音声を得るためには,知覚特性に一致したコストを用いることが重要である.本稿では知覚実験により求めた知覚スコアを用いることにより,コストの知覚特性に基づく評価を行う.その際に,コストと知覚スコア間の対応関係を明らかにするだけでなく,素片系列のコストを求めるために必要な各素片におけるコストを統合する関数についても検討する.実験結果から,合成音声全体における平均的な自然性劣化を表す平均コストは,局所的な自然性劣化を表す最大コストよりも知覚スコアとの対応が良いことを示す.また,平均的な自然性劣化と局所的な自然性劣化の両方を考慮するコストであるRMSコストを用いた際に,最も知覚スコアとの対応が良いことも示す.さらに,RMSコストによる素片選択に関しての検討を行うことにより,RMSコスト使用時には局所的な大きな自然性劣化を防ぐために,より短い単位の素片が多く用いられる傾向があることを示す.