著者
生岩 量久 中 尚 宮崎 徹郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.523-527, 1993-04-20
被引用文献数
14 1

ディジタル音声信号から, 直接振幅変調波を得ることのできる出力1kWの新方式(ハイブリッド変調方式)中波ラジオ送信機を開発した.ハイブリッド変調方式とは, 大まかな振幅情報をあらわすスイッチング型電力増幅ユニットと細かい情報をあらわすアナログ型電力増幅ユニットを電力加算して振幅変調波を得るもので.変調増幅器が不要であるため, 信頼性が高く, 高効率(85%以上)で, 高品質であるなど, 多くの利点をもっている.本送信機は, エンコーダ部, 16台のスイッチング型電力増幅ユニットと1台のアナログ型電力増幅ユニットからなる電力増幅部, 電力加算部, およびBPF(帯域ろ波器)部から構成されている.音声信号はA/D変換器により12ビットのディジタル信号に変換されたあと, 大まかな振幅をあらわすMSB側と細かい情報をあらわすLSB側グループに分けられる.MSB側ビット(4ビット)の情報に応じて選択されたスイッチング型電力増幅ユニットと, LSB側ビット(8ビット)の情報に応じて振幅変調されたアナログ電力増幅型ユニット出力を合成することにより, 振幅変調波を得る.このように12ビットのうち下位8ビットをアナログ処理することにより, 数少ないユニット数で構成できる.本変調方式の採用により, 送信機の総合効率は85%以上となり, 従来に比べて25ポイント向上させることができたほか, S/N比は72dB以上, 歪み率は0.4%以下(80%変調時)と良好な特性を得ることができた.

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