著者
来山 和彦 生岩 量久 巽 行雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.195, pp.81-86, 2008-08-28
参考文献数
9

地上ディジタル放送で固定受信用として用いられている64QAM (Quardrature Amplitude Modulation)信号について,白色ガウス雑音が加わった場合の信号電力対雑音電力比(CNR,Carrier to Noise Ratio)に対するビット誤り率(BER,Bit Error Rate)を示す幾つかのが提案されている.しかしながら,これらの式の精度は十分ではなく,特にCNRが低くなるほど,すなわち,雑音レベルが大きくなるほど実測値と理論値の差が大きくなる課題があった.このため,低CNR時においてもCNRに対するBERの関係を高精度で表すことができる式を導出するとともに評価を行い,CNRが0から30dB(BER=2×10-10に相当)に渡る広範囲において十分な精度が得られることを確認した.
著者
生岩 量久 中 尚 鳥羽 良和 戸叶 祐一 佐藤 由郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C-I, エレクトロニクス, I-光・波動 (ISSN:09151893)
巻号頁・発行日
vol.79, no.7, pp.249-255, 1996-07-25
被引用文献数
39

微弱なRF信号に応じて内部を通過する光の強度が変化する電源不要な光強度変調器を用いたTV中継局用信号伝送システムを開発・試作した. 本システムを使用すれば伝送線として光ファイバを使用でき, しかも受信所側には電源が不用であり, 送受信所間を電気的に完全に分離できるため, 雷害防止に大きな効果をもつ. また, 受信所側は受動回路のみで構成できるため, 信頼性・保守性の向上と低廉化を図ることができる. 本システムにおいては, 反射型を採用するなど光変調器自体の高感度化を図ると共に, 共振による電圧増幅を実現させ, 60dBμV/m程度の低電界においても, 50dB以上のCN比を得た. また, DG (微分利得) 1.8%, DP (微分位相)は,1.2゜と良好な性能を得た.
著者
生岩 量久 竹内 安弘 鳥羽 良和 鳥畑 成典 谷沢 亨 尾崎 泰巳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.8, pp.666-672, 2001-08-01
被引用文献数
23

電源が不要な光変調器を用いて多数のディジタル放送波(OFDM変調信号)を離れた場所に光ファイバで伝送できるシステムを開発した. 本システムは, 電波の受信点側に電源線を引く必要がなく, 設置工事・保守が容易であるとともに, 伝送線として光ファイバを使用できるため, 長距離伝送(約6km)が可能である. このため, 送信点から受信点への電波の回り込みを低減でき, 地上波デイジタル放送で予定されているSFN(Single Frequency Network:単一周波数ネットワーク)の実現に有効である. 本文においては主に, ディジタル放送波伝送に特有な課題の解決方法と伝送実験, 特に多波伝送特性評価結果について記述する.
著者
生岩 量久 中 尚 宮崎 徹郎
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン学会誌 (ISSN:03866831)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.523-527, 1993-04-20
被引用文献数
14 1

ディジタル音声信号から, 直接振幅変調波を得ることのできる出力1kWの新方式(ハイブリッド変調方式)中波ラジオ送信機を開発した.ハイブリッド変調方式とは, 大まかな振幅情報をあらわすスイッチング型電力増幅ユニットと細かい情報をあらわすアナログ型電力増幅ユニットを電力加算して振幅変調波を得るもので.変調増幅器が不要であるため, 信頼性が高く, 高効率(85%以上)で, 高品質であるなど, 多くの利点をもっている.本送信機は, エンコーダ部, 16台のスイッチング型電力増幅ユニットと1台のアナログ型電力増幅ユニットからなる電力増幅部, 電力加算部, およびBPF(帯域ろ波器)部から構成されている.音声信号はA/D変換器により12ビットのディジタル信号に変換されたあと, 大まかな振幅をあらわすMSB側と細かい情報をあらわすLSB側グループに分けられる.MSB側ビット(4ビット)の情報に応じて選択されたスイッチング型電力増幅ユニットと, LSB側ビット(8ビット)の情報に応じて振幅変調されたアナログ電力増幅型ユニット出力を合成することにより, 振幅変調波を得る.このように12ビットのうち下位8ビットをアナログ処理することにより, 数少ないユニット数で構成できる.本変調方式の採用により, 送信機の総合効率は85%以上となり, 従来に比べて25ポイント向上させることができたほか, S/N比は72dB以上, 歪み率は0.4%以下(80%変調時)と良好な特性を得ることができた.