著者
藤原 敬一
出版者
日本マネジメント学会
雑誌
日本経営教育学会全国研究大会研究報告集
巻号頁・発行日
no.39, pp.42-46, 1999-06-25

マルチメディアの出現などのメディア多様化をすすめた伝達技術の進展は、マスメディア企業の競争戦略に大きく影響することになった。コンテンツと伝達機能を強化し、競争優位を獲得するというマスメディア企業の行動が顕著になっている。米国の放送メディアの動向からは、差別化およびシナジー効果が期待できるコンテンツを獲得し、伝達範囲を広げる方向で伝達機能を強化するという傾向がみられる。また、コンテンツの生産・加工と伝達機能が一貫したシステムをとっているため、コンテンツを獲得する場合には、伝達機能の獲得を含んだ垂直統合という形態が共通してみられた。一方、欧米の新聞社の企業行動からは、新聞というメディアの言論性の高いコンテンツの優位性を強化しながら、電気通信系メディアの伝達機能を補完的に強化して即時性を高めるという傾向がみられた。

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