著者
小野 諭 小川 瑞史
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.115-130, 1996-03-15
被引用文献数
2

抽象実行とは,プログラムの様々な性質を解析するために提案された理論的なフレームワークである.これは,プログラムのデータ領域や計算動作などの意味を抽象化した有限抽象領域を設計し,その上でプログラムを不動点計算と呼ばれる手法で「実行」することにより,プログラムの性質を求める. そこで,本チュートリアルでは,プログラム解析のごく初歩的な知識を持つ読者を対象にして,抽象実行の基本概念,分類,具体的設計法、仕様記述への展望などを説明する.対象言語としては,遅延評価型の関数型言語を取り上げる.ただし仕様記述への展望は,手続き型言語における様相論理や時相論理による仕様記述をベースに説明する.

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