著者
高橋 正樹
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.107-124, 2004-09-30
被引用文献数
1 2

林知己夫氏の御存命中, 1990年代より「木曜会」と称する勉強会が開かれていた。初めは渋谷の桜ヶ丘にあった林事務所, 後に参加メンバーが増えると統計数理研究所で, 月一回程度のペースで数名から十数名が集まって, 林氏の数々の研究を若手が勉強したり, 逆に若手の研究発表を林氏を中心に皆で自由にコメントしあったりする会合であった. 本記事は, その中で開かれた公開のインタビューのひとつを採録したものである。特に, 高橋正樹氏(当時, 東京大学大学院総合文化研究科博士課程在学)の発案と司会により, 2001年4月7日に統計数理研究所内で実施したのであるが, この会合では前後全部で3回の公開インタビューを行っている. このインタビューでは, あらかじめ林氏にいくつかの質間事項を提示しておき, それを基に戦後日本の社会調査や統計学の様相とともに, 林氏自身の統計および科学に対する哲学を語っていただいた. なお, このインタビューでのテープを高橋氏が文章に起こしものを, 林氏自身が目を通し, テープの余白部分の追加, 加筆, 録音時に不明だった点や表現, 人名の確認などといった修正, 補足をされている. 今回の採録にあたり, 読者の便宜を図って, 高橋氏が文章化に必要な修正, 補足と小見出しや注釈を付した. さらにその原稿に吉野が目を通して, 必要最低限の修正を加えた. 注釈については, 語られたことの背景事情などを高橋氏が調べたものである. 全体を通して, 本誌の編集委員として吉野が目を通しているが, 不適切もしくは不十分な表現などが見られるとすれば, ご容赦いただきたい.

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