著者
田中 隆一
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.151-155, 1999-03-20

松果体部には多種多様な腫瘍が発生し, その治療方法も腫瘍の種類によって異なるため, まず組織の確認のために直達手術が必要である.摘出術の意義の大きい腫瘍は, 成熟型teratomaやmeningiomaのほか, 悪性teratomasを含むgerminoma以外の悪性germ cell tumors, pineocytomaあるいはlow grade gliomasなどである.occipital transtentorial approachは, 空気塞栓の危険のない側臥位や腹臥位でも手術でき, 松果体部腫瘍のほとんどすべてのバリエーションに対応できる利点がある.ここでは, アプローチ側を下にするlateral-semiproneを紹介し, この体位によるoccipital trastentorial approachの手術手技の要点を述べた.松果体部腫瘍は重要な深部静脈に囲まれており, 摘出に際してはこれらの静脈を温存することが特に重要であるので, 摘出は細切切除が原則である.また, 腫瘍によっては内大脳静脈を直視下に置くinfrasplenial approachの併用が安全かつ有用である.

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