著者
小野 泱
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.263-271, 1977
被引用文献数
2

1974∿1976年の4∿11月に帯広市周辺の諸河川でブユの採集を行い, Simulium arakawaeヒメアシマダラブユに極めて類似したブユの多数の卵, 幼虫, 蛹を得た。これらを室内で飼育し成虫を羽化させた結果arakawaeと別種であると認められたので, これを記載しさらに両種の相異について比較図示した。本種とarakawaeとは雌雄のgenitalia構造に差があり, 特に雄のventral plateのventral process, dorsal processesの形態の差は著しく, 脚の形態, 色彩にも差が認められる。幼虫の頭部額板の斑紋はtobetsuensisではH字型, arakawaeでは亀甲斑型となっている。本種はS. aemulum, S. janzeni, S. venustum (s. str.)にもかなり類似し, S. rubtzovi, S. longipapleにも類似している。しかしaemulum, janzeni, venustumとは雄の交尾器のventral plateの形態, 幼虫の肛鰓の形態などにより区別でき, rubtzovi, logipalpeとは蛹の呼吸糸が8本であることで容易に区別できる。本種は北海道東部(十勝, 釧路), 南千島(国後島)に産し, 年2化と考えられるがその吸血習性は不明である。

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こんな論文どうですか? Simulium tobetsuensis n. sp. (エゾヒメアシマダラブユ, 新称)の記載,1977 http://ci.nii.ac.jp/naid/110003815416 1974∿1976年の4∿11月に帯広市周辺の諸河川で

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