著者
町田 俊一
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.33-40, 2003-09-30

浄法寺漆器の復興にあたっては、地元で採取される漆液を活用することが大きな前提条件となっていた。しかしながら、当該地域の人びとのあいたでは、漆を塗布する技術はもちろんのこと、漆液の加工技術や地場産漆液の特長・性能に関する客観的な知識が継承されていないのが実情であった。漆器復興にかかわる技術面における最大の課題は、漆器製造技術の修得であり、製造技術については2年かけて、職人を養成することとした。新たに求められる技術は、浄法寺産漆液の性能に対する客観的な評価、浄法寺産漆液自体の加工技術などであり、これらの技術を新たに開発・検討することが必要とされた。本稿は、浄法寺産漆の塗膜強度と中国産漆の塗膜強度の比較試験を行ったものであり、その結果、浄法寺産漆液が高い強度を有することが判明した。

言及状況

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@wajuku 塗膜強度についてのデータはこちら http://ci.nii.ac.jp/naid/110003824929 コストの面や塗りにくさの点では中国産には負けるかもしれません。でも蒔絵や上塗り、呂色には絶対日本産でなければならないという方も多いのですよ。

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