著者
寺内 文雄 久保 光徳 青木 弘行 橋本 英治
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.45-52, 2005-03-31
被引用文献数
3

近年の環境問題において、モノを長く使うことに対する意識の低さが、問題解決に向けた障害の一つとなっている。本研究においては、モノの長期使用を念頭に置き、生活者の意識面における問題を解決するための方策として、モノに対して抱く愛着に着目した。そして、モノが有する様々な感性要素と愛着の発生に関わる因果モデルを、構造方程式モデリング手法を用いることにより構築した。また、モノに対する生活者の志向態度を因子分析とクラスター分析手法を用いてに四タイプに分類し、各タイプの因果モデルを検討することにより、その特徴と特質を明らかにした。最後に、これらの検討結果を踏まえて、愛着を誘発するための人工物設計指針6項目 : 完成度の高い造形処理、素材の特性を生かした質感表現、頭に馴染む使い勝手のよい機能、使い込むことによって見いだされる新たな仕組みの導入、愛着感構成要素の実現、本物感を満たすブランド価値の確立、を導いた。

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