著者
石原 勝也 北川 均 佐々木 栄英
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獣医学雑誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.739-745, 1988-06-15

犬糸状虫性血色素尿症(caval syndrome)例の外頸静脈から, フレキシブル・アリゲーター鉗子を用いて, 右心房と三尖弁口部の犬糸状虫を摘出後, さらに肺動脈内の犬糸状虫を摘出した. 23例の外来患畜では, 右心房及び三尖弁口部の犬糸状虫はすべて摘出され, このうち16例(69.6%)では肺動脈から1〜36隻が摘出された. 実験例9例では, 右心房から2〜34隻の犬糸状虫が, また, 6例の肺動脈からは3〜21隻の犬糸状虫が摘出された. 残留糸状虫数は0〜11隻で, 平均摘出率は83.2%であった. 24時間後, 実験例の右心系循環動熊は, 摘出後回復した5例では, 摘出前に比べ右心拍出量, 心指数及び一回拍出量が増加傾向を示したが, 予後不良では4例中3例で減少した. 肺動脈圧と右心室圧は, 摘出前はほぼ正常値から著しい高値まで様々であったが, 摘出後は予後の良否にかかわりなく増減不定に変化し, 関与因子が複雑であることが示唆された.

言及状況

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こんな論文どうですか? フレキシブル・アリゲーター鉗子による犬糸状虫性血色素尿症例の虫体摘出効果(石原勝也ほか),1988 http://id.CiNii.jp/QbMgL

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