著者
小田 哲久
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.135-145, 1998-08-15
被引用文献数
5

本論文は, ファジィ論理の真理値(Truth Value)を多次元に拡張した論理体系を提案する.本提案は, FCR法(Fuzzy-set Concurrent Rating Method : ファジィ多項目並列評定法)という, 心理測定法における応答の矛盾度を表わす指標に理論的意味を与えるために提案されたもので, 命題の真理値(Truthfulness : T)と偽値(Falseness : F)を独立次元とみなす.類似のアイデアに, 向殿・菊池の「拡張区間真理値モデル」があるが, 本提案では, TとFの直積空間としての超論理空間(Hyper Logic Space : HLS)を設定する.HLS上で論理演算を定義することで, 向殿らのモデルとは別の形の否定演算が導かれた.その論理代数系は, クリーネ律を満たし, 演算の結果が理解しやすい.HLSは, 矛盾への洞察を助け, また, より高次の超論理空間への拡張の道筋を示している.

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