著者
今野 浩 竹内 俊雄
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.295-300, 1998-02-15
被引用文献数
1 or 0

本報は, 線形計画法を応用して, 大学入学後の学科所属に関わる学生の満足度を改善する方法を提案する.基本的なアイディアは, 学科所属の優先度を決める学生の持ち点を, 「成績」と「志望の強さ」の幾何平均として定義し, 定員制約の下で, 全学生の得点合計を最大化することによって, 満足度の改善を図ろうというものである.実際のデータを用いたシミュレーションの結果は, この方法が従来のものに比べて優れていることを示している.
著者
大崎 絋一 加藤 鴻介
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.53, no.6, pp.437-447, 2003-02-15

今日まで知識工学は, 主に個人の知識や技能としての暗黙知を形式知に変換し機械の知能化にとって非常に効果的な方法を提供してきた.その後, 人間の感覚や行動を付加するエージェントとしての知識モデルが確立されてきており, エージェント間の新たな知識の伝達を可能にしている.最近では, ナレッジマネジメントが, 組織や企業の目的である戦略を実現するために必要な知識を, 組織, 個人の知識(暗黙知, 形式知)を集め, 整理し構成するものであるため, 広く導入され始めている.企業にとってナレッジマネジメントが必要とされる理由は, 直接・間接いずれの実務部門においても社員にいっそうの生産性向上を期待するために, 従来より多くの知識を組織内に提供することが要求されるためである.本論文では, ビジネス上の目的を実現するために, ナレッジマネジメントの基本である暗黙知を形式知に変換し構造化し形式知として表現するための知識構成法について述べる.まず, 「主要知識構成法」では, ビジネス上の目的達成に必要とされる「目的知識」を分解し, 必要と思われる広い範囲の「主要知識」を, 「目的知識」の統括組織により, ビジネス主体との関係, 使用上の規則, そして知識の構成の際に使用する推論機構について明らかにする.次に, 各「主要知識」は, 担当専門組織により「組織知識」として必要な関係, 規則, 推論機構を, 「組織知識構成法」により付加する.さらにはこれらの「組織知識」は, 個人の持つ形式知や暗黙知を提案する「個人知識構成法」により構造化した「個人知識」を使用して構成する.最後に「目的知識構成法」により, 導き出された主要知識, 組織知識, 個人知識から成る一連の知識に対して全体的な観点からの関係, 規則そして推論機構を加えて, 最終的に構造化された「目的知識」を構成する.最近急速に普及してきているインターネット等を活用したeビジネスの一つの実現形として, 「顧客に使い易く, 利便性のあるシステムに改革」することを目的にして, 組織や個人の知識を集め, 整理し, 目的知識を構成する.
著者
水山 元 鎌田 瑛介
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.330-341, 2008-10-15
被引用文献数
3 or 0

本論文では,過去の実績から何らかのパターンを抽出し,それを未来に外挿する従来型の需要予測手法とは一線を画した,需要予測の新しい手段として,複数の人間が持っている需要に関する分散した知識を,市場メカニズムを用いて集約し,予測に反映させる「衆知集約型需要予測法」を提案する.連続的な需要多測分布を得るための予測証券と,その証券の流動性を確保し,市場の平衡状態を実現するためのマーケットメーカをそれぞれ展開し,それらを,市場メカニズムを用いた将来予測のフレームワークである「予測市場システム」に組み込むことによって「衆知集約型需要予測法」の基本設計を与えるとともに,その機能をエージェントシミュレーションによって確認する.
著者
河野 宏和 雨谷 剛
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.168-177, 1998-08-15
被引用文献数
1 or 0

本研究の目的は, 事務作業のムダを発見して改善するための1つの分析方法を提示することである.一般に, 日本企業の間接部門の生産性は, 直接部門や欧米企業に比べて低いと言われているが, そこでの仕事を分析して改善するための手法の整備は進んでいるとは言えない.本研究では, 事務作業の内容を, 標準的な日本語の文章構造を用いて分析する方法を提案している.そして, 分析結果を, 1つの動詞で記述される要素作業のステップと, 共通の目的をもった要素作業の集まりである業務の階層構造として把握し, まず不必要な業務を排除し, 次に残った業務の中の要素作業を排除したり簡素化するという改善の考え方を示している.さらに, 分析結果から問題点を発見したり改善の着想を得るための着眼点を, 問題発見と改善のための問いかけとして整備している.その上で, 提案した分析方法と問いかけを銀行における窓口閉店後の事務作業に適用し, 様々な改善案が導かれることを示している.
著者
椿 美智子 若林 咲
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.269-281, 2008-08-15

In the field of management system engineering, there is a management technique named Customer Relationship Management (CRM) for making the best use of management information. It is a management technique that maintains constructing the relationship needed by the customer, while accurately understanding the customer and keeping the values desired by the customer fulfilled. In this paper, we expand the idea, propose Student Relationship Management (SRM) to construct and maintain an excellent long-term mutual relationship between the university and students, and also propose a matrix of learning needs as a tool for achieving SRM. Finally, we show a method for segmenting students according to learning type, for study support based on the idea of SRM.
著者
斎藤 倫克 後藤 正幸
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.145-154, 2008-06-15
被引用文献数
1 or 0

近年,初期投資の不要なインターネットビジネスとして,アフィリエイトが注目されている.しかし,アフィリエイターの約半数が月1,000円未満の収益しかあげられていないという現実がある.これは,継続的なアフィリエイトビジネスの発展を阻害するため,何らかの対策を講じる必要があろう.そのため,収益性の高さから書籍に紹介されるほどの優良アフィリエイターが,どのような方法でサイトを構築,運営しているかを分析し,優良なサイトを構築するための指針を得ることが望まれる.しかしながら,そのようなサイト運営ノウハウを体系的に分析し,理解し易い形で結果を提示する手法は確立していない.そこで本研究では,優良アフィリエイトサイトの特徴を分析し,サイト構築と運営に有効となる情報を提示するため,(1)サイト構築と運営における優良アフィリエイターのノウハウをインタビュー文章から構造化し,重要なポイント(検証要素)を抽出するための手法を提案する.(2)既存の優良アフィリエイトサイトについて,個々のサイトの特徴を明確にするため,アフィリエイトサイト用の調査項目作成方法を提案する.これら2つの側面からのアプローチにより,アフィリエイトサイトの構築と運営に役立つ分析の方法論を確立する.加えて,実際に検証要素と優良サイトの特徴分析結果を示し,本稿の提案手法の有効性を示す.
著者
後藤 正幸 石田 崇 鈴木 誠 平澤 茂一
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.97-106, 2010-08-15

近年,インターネットの普及により膨大なテキストデータからの知識発見を扱うテキストマイニングの技法が注目されている.本研究では,テキストマイニングが取り扱う問題の中でも,特に文書分類の問題を取り上げ,形態素解析後の単語の出現分布としてある確率モデルのクラスを仮定し,文書分類の性能,並びに分類に用いられる距離について漸近的な分析を行う.一般に,文書分類に不必要な単語の混入を完全に排除することは難しく,様々な重要単語の重み付け法などが提案されている.本論文で扱う最初の問題は,このような分類に不必要な単語が混入することが,文書分類に与える性能劣化の程度を把握することである.さらには,単語の出現頻度に基づく文書分類においては,個々の単語の生起頻度は少なく,多くの単語の頻度がゼロとなってしまうというスパースネスの問題がある.すなわち,このベクトル空間上で一つの文書を表す点は,ゼロを多くの要素に持つベクトルで表現される.しかし,「このような状況で,文書同士の距離による分類がある程度の分類性能を示すのは何故か」という疑問については依然として経験的な解釈が与えられているのみである.その理論的根拠を与えるため,本稿では,各要素の出現頻度を有限に保ったまま,次元数を無限大とする新たな漸近論の概念を導入することにより,スパースな文書ベクトル間の距離について解析的な性能を示す.
著者
坂巻 英一 亀井 悦子
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.39-50, 2014 (Released:2014-05-30)
参考文献数
21
被引用文献数
1 or 0

2011年3月11日に発生した東日本大震災では,停電により通信手段が途絶する中,Twitterを始めとしたSNSが情報伝達手段として力を発揮した.Twitter上では,どこで誰が助けを求めているのか,今,何が不足しているのか,といった情報が被災地から次々に発信され,こうした情報を基に行政や自治体は,被災地で起きていることをリアルタイムに把握することができた.一方で,Twitter上には嘘やデマ情報も多く,情報の解読の多くは手作業により行われた.そのため,状況の把握に手間や時間が掛かる,といった課題も指摘されていた.本研究ではInformation Valueや単純ベイズ分類器を用いて,つぶやきデータを分析し,つぶやきの中から震災と関連のあるキーワードを機械的に抽出する手法について提案する.そして,キーワードを基に被災地の現状をリアルタイムに把握することが可能であることを示す.併せて,本研究で使用する単純ベイズ分類器と古典的な分類アルゴリズムであるSVMを比較することにより,つぶやきの分類においては,単純ベイズ分類器はSVMと同程度の分類能力があることを検証実験により実証する.
著者
長尾 有記 梅室 博行
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.126-137, 2012-10-15

近年感情的な経験を提供する重要性が主張され,産業界では顧客に良い感情経験を与えるサービスや製品のキーワードとして「おもてなし」という言葉が使われるようになってきている.しかし一方でおもてなしという概念やそれを構成する要因は未だ明確にされていない.本研究では,おもてなしを提供するサービスや製品の設計指針を与えるために,文献調査や専門家へのインタビュー,フォーカスグループインタビューの結果に基づいておもてなしを構成する要因を抽出し体系化する.さらにそれらの要因に基づいてサービスや製品のおもてなし達成度合いを評価する評価ツールを開発し,実際のサービスや製品に適用することによりその実用性を示す.
著者
中島 智晴 村田 忠彦 石渕 久生
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.199-206, 1996-08-15
被引用文献数
6 or 0

本研究では, クラシファイアシステムを用いて多次元パターン識別問題に対する言語的識別ルールの自動生成を行う方法を提案する.提案手法では, 各々の言語的識別ルールが個体として取り扱われ, 交叉や突然変異などの遺伝的操作が適用される.言語的識別ルールの適応度は, そのルールにより正しく識別されるパターン数と誤識別されるパターン数により定義される.提案手法は, 学習用パターンから少数の言語的識別ルールを自動的に生成することができるので, 言語的知識の獲得手法と見なすこともできる.提案手法の有効性は, 2次元パターン識別問題の例題と13次元パターン識別問題であるワインデータの識別問題に対する数値実験により示される.
著者
坂巻 英一 亀井 悦子
出版者
Japan Industrial Management Association
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.39-50, 2014

2011年3月11日に発生した東日本大震災では,停電により通信手段が途絶する中,Twitterを始めとしたSNSが情報伝達手段として力を発揮した.Twitter上では,どこで誰が助けを求めているのか,今,何が不足しているのか,といった情報が被災地から次々に発信され,こうした情報を基に行政や自治体は,被災地で起きていることをリアルタイムに把握することができた.一方で,Twitter上には嘘やデマ情報も多く,情報の解読の多くは手作業により行われた.そのため,状況の把握に手間や時間が掛かる,といった課題も指摘されていた.本研究ではInformation Valueや単純ベイズ分類器を用いて,つぶやきデータを分析し,つぶやきの中から震災と関連のあるキーワードを機械的に抽出する手法について提案する.そして,キーワードを基に被災地の現状をリアルタイムに把握することが可能であることを示す.併せて,本研究で使用する単純ベイズ分類器と古典的な分類アルゴリズムであるSVMを比較することにより,つぶやきの分類においては,単純ベイズ分類器はSVMと同程度の分類能力があることを検証実験により実証する.
著者
大宮 望 山本 久志 大場 允晶 丸山 友希夫 中邨 良樹
出版者
公益社団法人 日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.92-99, 2016 (Released:2016-09-07)
参考文献数
13

近年,情報システムは企業にとって経営上,なくてはならない存在となってきている.情報システムの保守工程は,開発工程より費用が多く掛るといわれており,経営課題の一つとなっている.その原因の一つに,バグに関係する問い合わせがある.この問い合わせは,発生することを予測することが出来ないため,準備が出来ずに対応に多くの時間を要する.バグに関係する問い合わせが発生する要因については,様々な研究がなされているが,明確な分析はなされていない.そこで本研究では,バグに関係する問い合わせの内容,時間及び件数をクラスタ分析し,考察することによって,その発生要因を明らかにする.これをもとにバグに関する問い合わせの発生を,予測するモデルを提案する.これに加えて,予測モデルを実現場で利用するために「情報提供シート」も合わせて提案する.
著者
紀 永儒 柳川 佳也 宮崎 茂次
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.297-305, 2010-02-15
被引用文献数
1 or 0

病院の外来患者待ち時間を短縮するために,本研究では,待ち行列理論を用いたイベント駆動型ネットワークの方法を利用する.そのため,まずは対象になる病院の診療科の待ち行列全体をイベント駆動型ネットワークモデルで構築し,病院の総合受付の到着分布とサービス分布のモデルはM/G/sとする.次に,患者歩行速度を所与とし,診療科間の距離に比例して診療科間の患者の移動時間を決めた上で,患者の期待滞留時間と期待サービス時間に基づく割振りディスパッチングルールを提案する.その後,患者が次に受診しうる診療科の窓口が複数ある場合とない場合,さらに複数のとき,それらの診療科の窓口が空いている場合と空いていない場合に対して,提案ディスパッチングルールによって患者をスケジューリングする.最後に数値実験を通して,患者の総待ち時間への提案の効果を検証する.
著者
添田 大智 加幡 美音 開沼 泰隆
出版者
Japan Industrial Management Association
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.23-29, 2015

2011年3月11日,日本を大震災が襲った.震災を通し,今,日本では防災への意識が高まっている.ロジスティクス分野も震災時の救援物資の輸配送に関する検討が多くなされ,物資が被災者のもとに十分に届かないという事態に対する対策が課題とされていた.本研究では,東日本大震災の実際の物資の流れから避難所と市町村レベルの集積所の関係に着目し,ロジスティクス・モデルの提案を行っている.本研究の目的は,災害の混乱状態の中で被災者の物資に対する満足度の最大化を実現するロジスティクス・モデルの提案である.特に,避難所では様々な物資に対してニーズがありその需要に応えるべく,多品種ネットワーク・フローの考えを用いたモデルの提案を行った.また,被災者の需要量を平等に満たすべく,平等な供給に着目した目的関数を設定し,より現実的な災害時のロジスティクス・モデルの提案を行っている.最後に,東日本大震災で被害を受けた福島県相馬市を例として数値実験を行い,本研究で提案したモデルの有効性を検証している.
著者
古賀 裕之 谷口 忠大
出版者
Japan Industrial Management Association
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.144-156, 2014

本稿では話し合いにおいて,参加者の自由な発話タイミングを阻害することなく,均等な発話を促すことのできるコミュニケーション場のメカニズムとして発話権取引を提案する.発話権取引では参加者に等しい数の発話権が与えられ,これを自由に行使することで参加者は話し合いに参画することができ,また,発話権は自由に融通しあう事ができる.このメカニズムの特徴を実験に基づいて検討した.また,経済学的な考察を与えた上で,付加的な要素として発話振興券を導入し,その導入効果を実験に基づき評価した.発話権取引は,話し合いにおいて誰かが司会を行う負担を減らし,また,意思表示や理由に関する発言数を増やすことが分かった.
著者
下村 良 三川 健太 後藤 正幸
出版者
Japan Industrial Management Association
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.51-60, 2014

近年の情報化により,企業は大量のテキストデータを蓄積可能となった.これらのデータからは様々な情報を抽出できる可能性があるため,データの効率的な分析手法が望まれている.これらのデータから情報を効率的に把握する方法としてその構造化が考えられ,既に様々な手法が提案されているが,全作業が人手によるため,その数が膨大な大規模テキストデータには適用できないという欠点がある.そこで本研究では,人手による分類手法に大規模テキストデータを扱う自動文書分類の技術を組み合わせ,大規模テキストデータの効率的な解析を支援する手法を提案する.また,ソフトウェア開発に関わる企業が保有する実データに適用し,その有効性を示す.
著者
西口 宏美 辛島 光彦 齋藤 むら子
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.137-144, 2008-06-15

本研究は,地域社会において提供される社会資源を要介護者のニーズに対応可能なものとして整備していくための指針を得るために,通所リハビリテーションで提供される介護とリハビリテーション・サービスに対する利用者の満足度と利用時のwell-being感について把握することを目的としている.介護老人保健施設で提供される通所リハビリテーションの利用者59名を対象に,提供されているサービスに対する満足度と利用時のwell-being感に関する調査を行ったところ,以下のような結果が得られた.(1)利用者は,提供されるサービスについて概ね高い満足感を抱いており,その中でも特に入浴介護に対する満足度が高かった.また,男女間で満足度の異なるサービス項目がみられ,特にコミュニケーション活動においては女性群の方が高い満足度を示した.(2)サービス利用時の well-being感においては,性差や他の利用者との人間関係により差異が見られ,女性群ならびに人間関係に満足と回答した群においてwell-being感が高かった.以上の結果より,要介護者のニーズを満たすためには,介護サービス利用者の性差や他の利用者との人間関係について十分配慮し,きめ細かいサービスの提供が必要であると考えられる.
著者
鈴木 秀男 宮田 知明
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.71-79, 2002-04-15
被引用文献数
2 or 0

世界の経済活動におけるサービス産業の役割はますます増加し, サービスをどのように顧客に提供し, 満足してもらうかというサービス・マーケティングの問題が重要となっている.また, 成熟市場において, 既存顧客をどのように維持していくか, すなわち顧客ロイヤルティの向上に重点が置かれている.本研究では, ファーストフード業におけるサービス・クオリティ評価の構造化とサービス・クオリティ, 顧客満足度とロイヤルティとの関係を調べるための構造モデルの構築を行う.適用例として, マクドナルドとモスバーガーの2つのファーストフードチェーンを取り上げる.
著者
董 彦文 中村 塁 北岡 正敏 太田 宏
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.17-24, 1997-04-15
被引用文献数
2 or 0

現実のスケジューリング問題では, 作業時間が正確に決められない場合が多い.不確かな作業時間をファジィ数として取り扱うことによって, 人間の主観的判断に合致しており管理者により理解しやすい解は得られるが, ファジィ数の演算を導入することが必要となり, いろいろな計算上の問題が生じる.そこで, 本論文では, 非一様型並列機械スケジューリング問題を対象として, 作業時間が三角型または台形型ファジィ数であるファジィスケジューリング問題を解決する簡便解法を提案した.つまり, 与えられたファジィスケジューリンダ問題の中で, 各々のファジィ作業時間をその一般化期待値GMV(Generalized Mean Value)値で置き換えて非ファジィのスケジューリング問題を生成し, この非ファジィの問題の最適(良)解を求めることによって, 与えられたファジィスケジューリング問題の最適(良)解を得ることができることを示した.また, 計算例を通じて提案解法の有効性を確認した.
著者
荒川 雅裕 冬木 正彦 中西 弘樹 井上 一郎
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.51, no.6, pp.603-612, 2001-02-15
被引用文献数
3 or 0

生産スケジューリング業務においてスケジュールに納期遅れジョブが発生した場合, 計画担当者は現有の設備・工数内で遅れジョブを出さないようスケジュールの改善を試みるが, 遅れジョブの発生が不可避と判断した場合には, 工場の保有能力を上位の計画部署より認められた許容範囲内で追加し遅れジョブの削減に努める.しかしながら, 最小の追加能力で納期遅れジョブ数を最小にするには, どの期間, どの設備に, どの程度の能力を追加すればよいかを決定することは難しい.ここではパラメータ空間探索改善法を能力追加を決定する問題に適用し, シミュレーション法に基づく系統的な能力調整法を提案する.さらに, 現実の計画条件データを用いてその方法の有用性を示す.