- 著者
-
柴田 哲男
大草 重康
- 出版者
- 公益社団法人地盤工学会
- 雑誌
- 土質工学会論文報告集 (ISSN:03851621)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, no.2, 1978-06-15
ソ連の土質工学発展の過程と現状を紹介したものである。まず革命前のロシアにおける科学技術の発達とソ連の地盤, 地質条件の特徴を簡単に説明し, ついで1928年から始まる第1次5か年計画以後, ソ連の国土開発とともに発展してきたソ連土質工学における顕著な研究と著書および, 積極的に行なわれていた海外の研究の導入について述べている。次に, ソ連の土質・基礎工学の分野で指導的な役割を果たしている『基礎および地下構造物研究所』の機構と研究方向および研究テーマを紹介し, ついで, 1959年から出版されている論文誌『地盤, 基礎および土質力学』の論文内容, 論文数について述べて研究の動向を示している。最後に, 近年のソ連における研究として, ソコロフスキーの塑性論, ベレザンツェフの極限平衡理論による基礎の沈下計算, スナルスキーの円形基礎下における地盤内応力と変形問題に対する研究, そして, フローリンからザレッツキーに至る力学モデル, およびクイの負の摩擦力の研究, FEMの応用などの特徴的な研究について簡単に紹介している。