著者
片桐 一男
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.627-638, 2004-09-20
参考文献数
2
被引用文献数
1

長崎の阿蘭陀通詞吉雄幸左衛門耕牛の成秀館塾は〈オランダ語教育〉のうえに〈オランダ流医学〉の実践教育をして,きわめて盛況であった。それは,ボイセンの『人体の排泄物についての論』という医学理論に立脚,〈スウィーテン水〉による画期的治療効果によってもたらされる〈財〉の〈有効活用〉に支えられていた。これが,古医方出身の前野良沢・杉田玄白ら江戸の医学界にも強く影響,全国に普及をみた。〈理論・情報の公開〉〈技術の共有〉〈財の使用倫理〉問題という現代医学界の抱える問題にも,そっくり共通している。

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なるほど、これを見るに「スィーテン水」という名前で「薬」として使用方法がある程度確立されたもののようですね、1754年に一気にヨーロッパに広がったとある。 https://t.co/qyNdrZFx9b

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