著者
加藤 麦 福田 文彦 石崎 直人 矢野 忠 山村 義治
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.439-449, 1999-11-20
被引用文献数
3

OLETFラットに対してグルコースクランプ中に刺激を与え,鍼通電刺激がインスリン感受性に及ぼす効果を検討した。OLETFラットを,耳介迷走神経鍼刺激群(AVA),耳介非迷走神経鍼刺激群(ANVA),背部鍼刺激群(AB),背部ピンチ刺激群(PB),無刺激群(NS)に分け,正常対照としてLETOラットも同様に5群に分けた。更に,インスリン抵抗性に対する予防効果を検討するため,OLETFラットに長期間の鍼通電刺激を行った。鍼通電刺激はパルス幅300ms,1.5V,1Hzで10分間又は15分間行った。結果はOLETFラットでは,PB群で基礎値に対して刺激後に有意に減少した。LETOラットではPB群の刺激後に基礎値,刺激中の値に対して有意な増加がみられた。長期間刺激したAVA群及びAB群のGIRは,NS群に比べ有意に増加していた。以上の結果より,耳介部及び背部の鍼通電刺激はインスリン抵抗性の予防に有効であることが示唆された。

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