著者
呂 建軍 時永 祥三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLP, 非線形問題 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.417, pp.65-70, 2005-11-12

本報告では, ネットワーク・コミュニティ形成などメンバーのグループ化(クラスタ形成)の過程を分析する方法として, 遺伝的プログラミング(Genetic Programming : GP)による学習を行うマルチエージェントからなるセル平面のクラスタ形成分析を提案し, その応用について述べる。エージェントはセル平面において周辺の情報を入力として意思決定を行うが, まず, 基本モデルとして, エージェントを記述する状態変数が連続的な値をとることができる場合を考察し, エージェントが自己の利得を最適化する行動においても, 状態変数に均衡点が存在することを不動点定理を用いて整理する。次に, エージェントを記述する状態変数が1かゼロかの2値をとる場合には, 状態が1つの場合には, 周辺のエージェントの状態の期待値とあるしきい値を比較して行動を決定することが, 漸近的な意味での均衡条件であることを述べる。しかし, 状態が複数の場合や, エージェントが相互に学習的に行動する場合を記述するのには適していないので, エージェントモデルを基本とするシミュレーション分析を行う。応用例として, 人工的なエージェントによる事例, 企業内部における社員のクラスタ形成の特性分析などを示す。

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