著者
韓 尚憲
出版者
名古屋商科大学
雑誌
NUCB journal of economics and information science (ISSN:13466097)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.273-281, 2005-03

深刻化する不況のなか、企業のネットワーク投資は停滞し、キャリアの設備投資も冷え込んでいる。ベンダーの競争激化によって通信機器・サービスの価格低下が進む一方、IP関連の新規需要はまだ十分に顕在化しておらず、通信ビジネスの環境はことさら厳しい状況にある。その影響で、大手企業を含む多くの通信産業は、IPネットワーク上で電話システムを構築できるIP-PBXの販売やIP-電話サービスを本格化している。しかしながら、装置販売およびソリュ-ション分野以外には明確な収益モデルがないため、その収益性は不透明なのが、現状である。本研究では、既存のサービス分野で適応されている効果的な収益管理 (Revenue Management) 概念をIP-電話サービス分野へ適応し、多様な料金レベルを提示することによって、潜在需要の促進、さらに全体の利益を最大化するための最適化ベースの収益管理モデルを提案した。さらに、模擬実験を行いモデルの有効性を確かめてみた。

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