著者
辻川 敦
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.20-29, 2005

「日本社会において文書館が社会的に認知されず、位置付けられないのはなぜか」繰り返されるこの問いかけに対して、「アーカイブズ界」において現在なされている議論は果たして的を得ているのか。問題の社会的背景・課題要因を的確に把握し、その克服の方向性を実践的に提起できているのか。以上の問題意識に立って、本稿ではまず前段において、サービス業たる文書館事業を一種の「ショップ」になぞらえ、筆者の職場の事例をもとにアウトソーシング、ボランティアという観点から事業のひとつの方向性を提案する。後段においては、冒頭の問いかけの根本的背景要因を日本社会の特質と歴史的変遷からとらえ直すことで、とるべき視点、あるべき方向性を考察する。

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