著者
大村 英正
出版者
記録管理学会
雑誌
レコード・マネジメント (ISSN:09154787)
巻号頁・発行日
vol.48, pp.11-28, 2004

企業経営はしばしば困難に直面するが、そのような時にこそ、そして普段から歴史を学び歴史に学ぶことが大切であり、その方法論が適正でなければならない。本稿では、企業で経営史料の管理、活用並びに会社史の編纂を担当した若干の経験をふまえて、非現用の企業史料を中心に、その定義、収集、評価、保存・管理、活用さらにビジネスアーキビストの育成について、問題提起を含めて私見を述べる。収集では着眼点と収集対象を、評価では評価の主体と史料価値の多面性について、保存・管理では原秩序の維持と出所の原則の重要性について、活用では史料の広範な利用の実例と可能性を中心に論考する。ビジネスアーキビストの育成については資質面と育成の制度に触れる。総じて、公共財としての性格をも持つ個々の企業の私的財産である企業史料の取り扱いについて全体像を整理してみた。これらは概論であり基本の考え方であって企業史料管理マニュアルではない。

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