著者
亀井 幹夫 中越 信和
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.391-396, 2001-03-30
被引用文献数
3 1

天然記念物制度の指定方針とその変遷を明らかにするため,植物に関連する国指定天然記念物の指定の実態を分析し,その時間的変遷を以下のように整理した。戦前は,自然破壊の阻止,学術資料の保存,郷土や国家への愛情の向上という3つの意図を持ち,偏りがあるとはいえ指定対象は多岐にわたっていた。第二次世界大戦での敗戦によるナショナリズム的側面の後退と高度経済成長がもたらした深刻な自然破壊によって,学術優位が定着すると共に,珍奇なものから代表的・一般的なものへと保護すべき対象も変化した。近年,面的な保護を中心とした指定が進められている。しかし,他の自然保護施策との関連から,より柔軟な制度改革が必要であろう。

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