- 著者
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岡田 昌彰
- 出版者
- 社団法人日本造園学会
- 雑誌
- ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.5, pp.765-768, 2001-03-30
- 被引用文献数
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3
近年,建築史や産業考古学の分野において,既存の古い構造物を価値ある資産として新たに見直す動きが見られる。そこでは主に技術史,意匠及び地域産業・生活史などの系譜の観点から価値付けが行われているが,年月を経た結果生起した「廃墟景観」としての美的特長に対する評価手法は殆ど確立していない。本研究では,主に18世紀英国の「ピクチャレスク庭園」における廃墟景観の評価論を分析し,「廃嘘」の価値付け法として,(1)アイキャッチャー,(2)自然(じねん)景観,(3)尚古象徴 及び(4)うつろい景観 の4点を指摘した。これをもとに国内の廃墟的産業構造物を例示し,価値ある景観へと昇華する可能性について検討を行った。