著者
岡田 昌彰 薮内 慎太郎
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.663-668, 2008-03-31 (Released:2009-05-08)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

Kyoto City is known to hold quite a few modern architectures or industrial and civil engineering heritage, however, it also remains modern parks for children which have characteristic structures of space which lead to form unique landscape. This study surveyed all of 55 parks in Kyoto City built in the early Showa Period to manifest the spatial structures formed with unique items, such as gates, "radio tower", faucets, or wistaria trellis to form the axis and vista even from the outside of the park. We classified the axis pattern of parks into 6 categories, by constructing their data-base and pointed out the emphasis of visual connection of spaces inside and outside of the park.
著者
岡田 昌彰 ヤニッキー アンドレア 中村 良夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.601-606, 1997-03-28
被引用文献数
4 3

同化が主流のテクノスケープデザインに対し,その視覚像を自己言及させる「景観異化」の解釈法を提示した。既に理論の確立している詩的言語論に依拠し,「自動化された対象の活性化」なる異化の理念を手掛がりとし,キュビズム,ミニマルアート,ランドアートの美術,及び枯山水庭園にみるデザイン手法を景観異化手法として分析・整理した。その結果,単純化,空洞化,輪郭破壊,フレーミング,遊離化,コラージュ,反遠近構図などの手法を提示した。さらにこれらを分類整理し,言語における異化の理念と景観異化理念との対応を確認し,それぞれの景観異化をテクノスケープにおいて実現させるための留意すべき特性として,その解釈例を示した。
著者
岡田 昌彰
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.765-768, 2001-03-30
被引用文献数
1 3

近年,建築史や産業考古学の分野において,既存の古い構造物を価値ある資産として新たに見直す動きが見られる。そこでは主に技術史,意匠及び地域産業・生活史などの系譜の観点から価値付けが行われているが,年月を経た結果生起した「廃墟景観」としての美的特長に対する評価手法は殆ど確立していない。本研究では,主に18世紀英国の「ピクチャレスク庭園」における廃墟景観の評価論を分析し,「廃嘘」の価値付け法として,(1)アイキャッチャー,(2)自然(じねん)景観,(3)尚古象徴 及び(4)うつろい景観 の4点を指摘した。これをもとに国内の廃墟的産業構造物を例示し,価値ある景観へと昇華する可能性について検討を行った。
著者
岡田 昌彰
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.691-696, 2000-10-25 (Released:2018-02-01)
参考文献数
12

Mt. Bukou, which is located in Chichibu Region, is known as a regional symbolic mountain with a lot of religious events. It has been dramatically changing its landscape since 1970s because of rich limestone resources exploited by several cement companies. This study attempts to manifest the transition of image to its changed landscape in descriptions of student's essays. Obtained images are, (1) Obscure and indirect recognition of the landscape change (2) New movement of formal evaluation of the existing landscape and (3) Deterioration of direct recognition of dignified image and preservation of indirect recognition.
著者
稲本 健太朗 岡田 昌彰
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境システム研究論文集 (ISSN:13459597)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.47-52, 2007-10-13 (Released:2010-06-04)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

本研究では, 月刊雑誌や観光ガイドブックにおける記述内容をもとに, 京都タワーの社会的イメージの変遷を解明した. 設立当初より建設反対論に並行して, 京都タワーは意外性とともに外観の美が認識され, さらに京都のシンボルあるいは地元の風景といった京都自体とのイメージ的結びつきも発現している. また, 1990年代前半まで漸増していた高さ認識に伴うランドマーク性は1997年の新京都駅ビル完成後に割合が減少していく.いっぽう, 当初設計におけるモチーフとして「蝋燭」なる通説が定着する現象が明らかとなった. このことは塔のイメージと形態ならびに立地地区の地理的条件, 及び社会的背景との関係性を示唆している. 設立40周年を迎えた近年においては京都タワーの歴史的系譜そのものに対する関心も生じてきていることがわかった.
著者
中村 遼 岡田 昌彰
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
環境システム研究論文集 (ISSN:13459597)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.375-380, 2008

本研究では, 参加者のWEB上の記述という形でデータ取得が可能な野外音楽イベント「FUJI ROCK FESTIVAL」を研究対象とし, 参加者による周辺環境の解釈形態, 風景発見の実体を分析・把握し, 環境の外的特徴の発見促進媒体あるいはその意味探求への誘発装置としての野外イベントの実用性を提示した. その結果, 主目的がライブ鑑賞である野外イベントであっても, 人が自然環境と交わることにより, 風景が副次的に発見されること, 時間帯や天候により変化する風景が体感されやすいこと, ならびにライブ鑑賞時においては周辺の自然環境や会場の設えをもライブと関連させ, 演出の一要素として読み替えを行っていることがわかった.
著者
岡田 昌彰
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.721-724, 2006-03-27
被引用文献数
1

Recently, renovation project of existing structures, such as old architecture, industrial or civil engineering facilities are taken for efficient use of existing facilities with different functions. This current on social facilities may suggest the gradual change of value from flow (scrap and build) to social "stock". Their purposes of renovation are to acquire economic benefit or efficient preservation of cultural heritages, however, landscape or spatial values or meaning of renovated landscape or space which the structures take on as a result of renovation have yet to be sufficiently discussed. This study reviews social trend of renovation projects, and introduction of existing aesthetic theory of Mitate and Estrangement permits the manifestation of potential value of landscape and space, such as significance of "distance" caused by semantic difference between present and past use. In this meaning, landscape and space of industrial or civil engineering facilities (i.e. technoscape and technospace), such as watertowers, channel defenses, or abolished railway tracks are concluded to possess high potential to produce estranged value when renovated.
著者
岡田 昌彰
出版者
一般社団法人 日本観光研究学会
雑誌
観光研究 (ISSN:13420208)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.95-100, 2021 (Released:2022-06-04)
参考文献数
16

本研究では、共用水道遺産に焦点を当て、日本国内におけるこれらの現存状況ならびに保存に至るそれぞれの経緯と意義を明らかにすることを目的とする。現地調査及び関係機関に対するヒアリング調査を通して情報を収集・整理し、今後の地域資産としての可能性を示した。日本各地における共用水道遺産の現存状況ならびに地域的位置づけについて、各々の移設・復元の経緯をもとに明らかにした。いずれも日本における水道の近代化と各地域への普及過程を端的に示す重要な土木遺産であり、英国と同様の文化財的な価値づけ、あるいは観光資源としての可能性の議論の必要性を提示した。
著者
岡田 昌彰 福部 大輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.I_552-I_557, 2012
被引用文献数
2

近年,臨海工業都市において「新たな観光資源」として工場夜景が注目されている.一方,事業の進捗に対し当地における沿岸域景観の現況やその評価実態に関する基礎的研究は行われていない.<br> 本研究では堺泉北臨海工業地帯を対象とし,現地調査による景観形成要素の抽出・整理,及び当地の景観を対象としたウェブ上のブログに掲載された写真の内容ならびに言及内容を昼夜別に比較・分析し,夜景の評価実態ならびに選定される視点場の特徴について把握した.その結果,(1)夜景においては非現実のSF的な「別世界」を投影する傾向が見られること,及び(2)障害物が少なく,水面を挟むことで「ひき」が確保でき,あるいは「まとまり」として景観を捉えやすい視点場が多数撮影されていることなどがわかった.
著者
岡田 昌彰
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.603-606, 2000-03-30
参考文献数
17
被引用文献数
3 1

本研究では, 構築効率や規模の経済を図った部材生産過程などを経るテクノスケ-プにおいて顕著な単純反復の形態の修辞的意義を究明することを目的としている。これを扱った庭園, 日本の伝統的デザイン, 現代芸術の解釈法を手がかりとして, その及ぼす視覚的・意味的効果を明らかにし, さらに具象像・抽象像の規則反復・任意反復について実験を行いその効果を確認した。その結果, 単純反復によって構成要素の記号内容の希薄化, 及び形骸・反復秩序の強調が効果として指摘された。さらにテクノスケープにおいてこの特長が生起する事例をその形成プロセスに着目して総括し, 本レトリック論の景観形成創作論としての発展的可能性を提示した。
著者
岡田 昌彰
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.603-606, 1999-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
18
被引用文献数
1

本研究では, 構築効率や規模の経済を図った部材生産過程などを経るテクノスケ-プにおいて顕著な単純反復の形態の修辞的意義を究明することを目的としている。これを扱った庭園, 日本の伝統的デザイン, 現代芸術の解釈法を手がかりとして, その及ぼす視覚的・意味的効果を明らかにし, さらに具象像・抽象像の規則反復・任意反復について実験を行いその効果を確認した。その結果, 単純反復によって構成要素の記号内容の希薄化, 及び形骸・反復秩序の強調が効果として指摘された。さらにテクノスケープにおいてこの特長が生起する事例をその形成プロセスに着目して総括し, 本レトリック論の景観形成創作論としての発展的可能性を提示した。
著者
岡田 昌彰
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.733-738, 2001-10-25 (Released:2017-12-01)
参考文献数
10

Kuzuu town in Tochigi Prefecture has been known as one of the most developed cement industrial town in Japan and they established quite characteristics culture related to the cement industry. Now this town is on the crossway with the social background of recent stagnant demand for cement. This study attempt to manifest the transition of image to cement industry in descriptions of student's essays, local folksongs, or school anthems in Kuzuu Town. Obtained images are, (1) The tendency of indirect perception of environmental issues brought by cement industry, (2) Descending attention to the cement industry, and (3) Reinstatement of image as line industrial town.
著者
岡田 昌彰 文字 拓哉
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.467-472, 2014 (Released:2015-05-22)
参考文献数
22

Biwako Waterway, completed in 1890, includes the Ebisugawa Berth which possessed the largest rectangular area along it and had been originally used as landing stage or moorage for shipping. On the other hand, new use, such as swimming pool had been added to this facility and kept intensive connection with surrounding communities. Especially, the function as swimming training school starting in 1896 made significant influence to the development of swimming culture locally and nationwide. This study attempts to manifest the transition of its reuse as swimming training pool through the analysis of local historical documents, newspaper articles, and hearing survey to relating organization, such as Tousuikai or home for the aged. As conclusion, it was found out that they took advantage of rectangular surface of water formed by shipping function, and had developed Ebisugawa Berth as place for human activities, which succeeded to obtain high social status as one of the most prestigious swimming pool where national swimming meet was held and visited by Japan’s royal families, and also had been enjoyed by local children in elementary schools as popular swimming pool after the war.
著者
稲本 健太朗 岡田 昌彰
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
環境システム研究論文集
巻号頁・発行日
vol.35, pp.47-52, 2007
被引用文献数
1

本研究では, 月刊雑誌や観光ガイドブックにおける記述内容をもとに, 京都タワーの社会的イメージの変遷を解明した. 設立当初より建設反対論に並行して, 京都タワーは意外性とともに外観の美が認識され, さらに京都のシンボルあるいは地元の風景といった京都自体とのイメージ的結びつきも発現している. また, 1990年代前半まで漸増していた高さ認識に伴うランドマーク性は1997年の新京都駅ビル完成後に割合が減少していく.<BR>いっぽう, 当初設計におけるモチーフとして「蝋燭」なる通説が定着する現象が明らかとなった. このことは塔のイメージと形態ならびに立地地区の地理的条件, 及び社会的背景との関係性を示唆している. 設立40周年を迎えた近年においては京都タワーの歴史的系譜そのものに対する関心も生じてきていることがわかった.
著者
岡田 昌彰
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.765-768, 2000-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
15
被引用文献数
3

近年, 建築史や産業考古学の分野において, 既存の古い構造物を価値ある資産として新たに見直す動きが見られる。そこでは主に技術史, 意匠及び地域産業・生活史などの系譜の観点から価値付けが行われているが, 年月を経た結果生起した「廃墟景観」としての美的特長に対する評価手法は殆ど確立していない。本研究では, 主に18世紀英国の「ピクチャレスク庭園」における廃墟景観の評価論を分析し,「廃城」の価値付け法として,(1) アイキャッチャー,(2) 自然 (じねん) 景観,(3) 尚古象徴及び (4) うつろい景観の4点を指摘した。これをもとに国内の廃城的産業構造物を例示し, 価値ある景観へと昇華する可能性について検討を行った。
著者
岡田 昌彰
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.721-724, 2006 (Released:2007-11-13)
参考文献数
24
被引用文献数
1

Recently, renovation project of existing structures, such as old architecture, industrial or civil engineering facilities are taken for efficient use of existing facilities with different functions. This current on social facilities may suggest the gradual change of value from flow (scrap and build) to social "stock". Their purposes of renovation are to acquire economic benefit or efficient preservation of cultural heritages, however, landscape or spatial values or meaning of renovated landscape or space which the structures take on as a result of renovation have yet to be sufficiently discussed.
著者
竹形 顕 岡田 昌彰 宮澤 泰子 堀 繁
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.641-644, 2003-03-31
被引用文献数
1

Nikko city, which is well known as one of the most typical tourism area in Japan, is developed also as an industrial city with copper refinery industry principally in Kiyotaki District. The company of copper industry, Furukawa Corp., contributed to the regional economy, regional welfare, and formed independent industrial hamlet with characteristic folk customs. However, recent stagnant economy of copper industry transformed such regional attitude. This study attempts to manifest the actual circumstances and transition of regional attitude to copper industry, analyzing Expressions in Students' Essays and indicated 3 characteristics, (1) Decline of image related to copper industry with its decadence, (2) Decline of regional attitude as an independent hamlet and (3) Maintenance of Industry-derivative Folk Customs. In addition, we made comparative analysis with several former studies on the image to regional industry to surmise the factors which makes the case of Kiyotaki unique.