著者
飛田 範夫
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.413-416, 1999-03-30
被引用文献数
2 5

『万葉集』によると奈良時代頃からウツギの生垣が作られ,絵巻物を見る限りでは平安・鎌倉時代には,下枝を切り落とした生きた樹木を植え並べた生垣が主流になっている。この生垣は枯れ枝や割り板を立てた垣根の代わりに,腐らない垣として作られたものと思われる。鎌倉時代頃から防犯のためにカラタチ・クコ・ウコギなどの刺がある樹木を使った生垣が現れ始め,室町時代から江戸時代前期にかけて流行している。北村援琴著『築山庭造伝』(1735年)の図に生垣的な刈り込みが描かれていることからすると,今日見られる刈り込み生垣は江戸中期頃から始まったものらしく,両手で使う刈込み鋏が出現したこととの関連性が考えられる。

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