著者
小野 良平
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.409-412, 1997-03-28
参考文献数
41

東京の上野公園は, 明治初期に内務省の主導の下, 博物館事業や内国勧業博覧会を推進する国家的公園として開設された。本稿では, 明治期の国家的イベントとして最も重要である天皇が臨幸した儀礼的行為に着目し, たびたびその会場となった上野公園を対象に明治期の公園の空間構造の形成に及ぼした影響について考察した。現在に至る空間の骨格は明治初期に形成され, はじめに上野に国家的性格を与える儀礼が行われ, つづいて天皇を視覚化して国民に示すという政治的要請が, 公園の空間的特性を規定する一要因となったこと等が明らかになった。

言及状況

外部データベース (DOI)

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明治9年5月9日、上野公園の開園式。ただし、小野良平「上野公園における公的儀式とその空間形成への影響」(『ランドスケープ研究』60-5)曰く、式典を開催したわけではない。明治天皇が臨幸することで、国家の公園としての意味付けを示した。 https://t.co/JqIHihCQ6B

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