著者
木村 靖子 島田 玲子 松田 賢一 宅見 央子
出版者
山脇学園短期大学
雑誌
紀要 (ISSN:03898814)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.16-26, 2004-03-10

近年,若年女性における食生活の乱れが問題になり,それとともに身体的症状を訴えることも多くなっている。本研究では,身体的症状で訴えの多い便秘と食生活,生活状況との関連性を検討するために,本学短大生47名を対象に連続した1週間の食事調査と生活状況,排便状況の調査を行った。47名のうち,1週間の排便日数が4日以下の22名を便秘傾向群,5日以上の25名を非便秘傾向群として統計的に比較した。その結果,便秘,非便秘にかかわらず本学短大生は食品の総摂取量が少なく,エネルギーおよび各栄養素の充足率がかなり低いのが特徴であり,予想以上に粗末な食事内容であることが示唆された。便秘傾向群と非便秘傾向群を比較すると,便秘傾向群は食品の総摂取量が有意に少なく,その結果としてエネルギー,たんぱく質,脂質,炭水化物,マグネシウム,亜鉛,ビタミン_B1,ビタミンB_6,食物繊維などの充足率が有意に低くなった。また,食事のとり方においても1日の喫食回数が有意に少なく,食事時間も不規則な傾向を示した。生活状況は起床時刻,就寝時刻ともに遅かった。以上の結果より,若年女性の便秘は食事の絶対量の不足と不規則な食事時間,夜型の生活パターンが起因していると考えられる。

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