- 著者
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秋山 晋吾
- 出版者
- 千葉大学大学院社会文化科学研究科
- 雑誌
- 千葉大学社会文化科学研究 (ISSN:13428403)
- 巻号頁・発行日
- no.11, pp.146-156, 2005
ここに訳出したのは、1691年12月4日に神聖ローマ皇帝・ハンガリー王レオポルト一世(リポート一世)がトランシルヴァニア侯国の取り扱いを規定するために発布した勅令の全文である。この勅令は、16世紀前半からの中世ハンガリー王国の三分割を経て、1570年にオスマン宗主権下に成立したトランシルヴァニア侯国が、その国制を基本的に維持しつつハプスブルクの宗主権下に入ることを規定したものである。これは、1848年まで効力を保ち、トランシルヴァニアのいわゆる三ナティオ・四宗派体制を基軸とした侯国国制の基本文書となった。