著者
坂上 宏
出版者
九州情報大学
雑誌
九州情報大学研究論集 (ISSN:13492780)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.23-42, 2005-03-22

1982年フィンランド大統領選挙で、マウノ・コイヴィスト(Mauno Koivisto)が当選を果たしたことは、前任者ケッコネン大統領(Urho Kekkonen)の25年に及ぶ長期支配に名実共に終止符を打ったという意味において、フィンランド政治史上大きな転換点となった。コイヴィストが大統領の座を手中にするための大きな一歩となった出来事は、彼が1979年5月に二度目の首相に任命されたことであった。本稿では、まず第二次コイヴィスト内閣編成の経緯について概述した。次に彼の首相就任をめぐる政治状況について、ケッコネンを始めとする有力政治家の利害関心、隣国ソ遠の姿勢、さらに世論の動向などを取り上げて議論した。

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