著者
松野 保久 古川 慎太郎
出版者
鹿児島大学
雑誌
鹿兒島大學水産學部紀要 (ISSN:0453087X)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-4, 2002-12-24

養殖生長,網あるいは縄漁具等に多く使用されている材質6種類について,基本的な形状を円柱形(直径55mm×長さ550mm)とし,有効反射面積を測定した。その結果,有効反射面積は塩化ビニール,木材,発泡スチロール,竹材,アルミ箔,鉄材の順で大きくなった。竹材は塩化ビニール,木材の約3倍,発泡スチロールの約2倍であった。アルミ箔は異なる材質のものに巻きつける方法で,有効反射面積を約3.5倍大きくすることができた。鉄材の有効反射面積は予想を越え大きな値をとり,塩化ビニール他非金属材の約100倍となった。物標形状の幾何学的投影面積およびレーダ波を完全反射するものと仮定する計算式より求めた計算有効反射面積と鉄材の測定有効反射面積の値は略一致する傾向にあり,相関関係が推定できた。しかし塩化ビニール他非金属材は相関を見出すことはできなかった。最後に,測定を実施するにあたり協力いただいた本学環境情報科学講座航海グループに所属する4年生学生の平田幸生君ならびに藤健太郎君に謝意を表する。

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