著者
坂口 早苗 坂口 武洋
出版者
川村学園女子大学
雑誌
川村学園女子大学研究紀要 (ISSN:09186050)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.113-132, 2005-03-15

最近になって,少子高齢化の進行,夫婦共稼ぎ家庭の一般化,家庭・地域の養育機能の低下などによって,子育て環境が変化し,育児不安などからくる,児童虐待に関する事件が急増している。したがって,家庭内での児童虐待は,かつて考えられていたような稀な現象ではなく,どこの家庭でも起こる可能性のある現象となってきたのである。児童虐待には,身体的虐待(乳児揺さぶられ症候群,代理ミュンヒハウゼン症候群など),ネグレクト(身体的ネグレクト,情緒的ネグレクトなど),性的虐待(身体的接触のある虐待,身体的虐待をともなわない虐待),心理的虐待(言語的虐待,非言語的虐待)および受動喫煙による虐待などがある。これらを説明し,虐待が生じる要因を分析した。また,虐待問題にかかわるためには,まず血縁でも虐待は起こり得るなどの価値観の転倒や被虐待児の挑発に乗らないなどの知識を要する。援助を受けることが苦手な家族の人たちを上手に援助する力量を備えた人材の養成が急務である。

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