- 著者
-
畑中 恒夫
高石 哲男
- 出版者
- 千葉大学教育学部
- 雑誌
- 千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, pp.449-456, 2002-02
電磁波はネズミの脳に作用して情動に変化を生じ, 学習効率を変化させることが知られている。電磁波が脳の構造が全く違うワモンゴキブリの情動に変化を生じるか調べるため, 市販の電磁波を利用したネズミ・ゴキブリ駆除器を用いて, 行動観察を行った。ゴキブリは電磁波に暴露されると, 活動性が下がるとともに, 電磁波を発する場所から特定の位置を保ち, 電磁波の強さあるいはその作用による情動の強さを知覚できるような行動が見られた。また, 長期間暴露していると, はじめの2週間はストレスによると見られる, 産卵直後の卵鞘を雌が食べてしまう行動が目立ったが, そのほかの行動に変化は見られなかった。本実験で, 電磁波はゴキブリの情動にも影響を与えることが示された。