著者
井上 孝夫
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学教育学部研究紀要 (ISSN:13482084)
巻号頁・発行日
vol.53, pp.223-227, 2005-02-28

東北地方を中心に行なわれている民俗芸能・鹿踊り(ないしは,獅子踊り)の起源については,これまでいくつかの説が唱えられてきた。そのなかで,マタギ起源説はマタギ集落と伝承地が一致しないため,説得力に乏しい。世上流布しているのは人間による鹿の模倣説で,宮沢賢治の「鹿踊りのはじまり」に依拠して語られることが多い。これに対して,本稿は鹿踊りは製鉄の民俗の一種であることを主張する。そして畠山重忠と日蓮の関連性から,宮沢賢治説の表層性(あるいは,非土俗性)と限界性を指摘する。

言及状況

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妙見、日蓮、製鉄、鹿踊。 鹿踊に限らず、千葉県印西市の辺田前の獅子舞と平岡鳥見神社の獅子舞はこの論に無関係ではなさそう。(次行ったときに聞いてみたい) 井上孝夫「鹿踊りの起源をめぐる伝説について ―宮沢賢治を超えて―」 https://t.co/bkOIELmv2G

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