- 著者
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芦田 誠
- 出版者
- 拓殖大学
- 雑誌
- 拓殖大学経営経理研究 (ISSN:13490281)
- 巻号頁・発行日
- vol.73, pp.20-52, 2004-12-20
物流コンセプトの変化の背後には、その時代のコアとなる物流施策の方向性が指し示されている。この点では、今日の物流戦略は車の両輪として位置づけられるSCMとDCMの連携に軸があるとみてよい。日本では、1990年代後半にSCMのコンセプトが、また21世紀に入ってSCMの実践例が盛んに紹介された。第3ラウンドとも言うべき今日のSCM研究は、逆に失敗例、言い換えればSCM推進上の課題、そして特に評価方法に議論の中心が移るべきであると考える。その課題には、情報交換のデータ様式の統一化、在庫圧縮と緊急時の対応、日本的商慣習とSCMの調整、環境問題との調整などがある。評価方法には、1CS、2顧客に対する付加価値、3総コスト、4部門収益性分析、5戦略的利益モデル、6株主価値手法などがある。